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(2)-3.緊張と自信の関係 |
突然ですが、「紙に文字を書く」という行為に、緊張ってしませんよね。
それは「紙に文字を書く」という行為を誰にも評価されたいとは思わないし、
そもそも、評価などのことを意識して「文字を書く」行為をしていないからですよね。
それでは想像して見てください。
数百人に囲まれながら椅子に座り、机の上の鉛筆をとり、「−」という棒線文字を紙の上に書かなければなりません。
このようなときの、心理状況はどのようなものでしょうか。
大勢の人が見ているため、「失敗したくないな」という感情が発生しますよね。しかし、
「−」の文字を書くという行為は、とても簡単で失敗する要素がほとんどないと理解できますよね。
従って、恐怖感や不安感はあまりなく、緊張もあまり発生しないでしょう。
この心理状況は、いくら評価される状況であっても、自分がこれから行う行為に対して相当な自信があるため緊張が弱くて済むことが分かりますよね。
ですので、評価されたい人(好きな人・上司・先輩など)の前で何らかの発表を行うときも、
その「何か」に相当な自信があれば、恐怖感・不安感は薄れ、緊張する要素が1つ減ると言えますよね。
ここでは、文字「−」を書くという行為でしたが、これを「10分間お話しをする」という行為に変えるとどうでしょうか。
⇒数百人の前で、「10分間お話をする」
今にも汗が体から吹き出る思いではないでしょうか。これは、やはり「話をする」という行為に慣れておらず自信がないからですよね。
自信のない慣れない行為をすると緊張をするのはこのためなのですね。
また、緊張しない人に緊張しないコツを聞くと「慣れだ」という回答が返ってくるのは
その人たちは、その行為に自信が持てるようになったからなんですね。
但し、極度の緊張やあがり症は一度発症すると、例え自信があってもその場面や状況で「緊張」してしまうため
場慣れしても決して治るものではありません。逆に、何度も緊張状態を体験することで悪化する恐れすらあります。
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